最終更新日:2012. 2.18

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小説家中村文則公式サイト
単行本

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「河出書房新社」 1300円(税別)   2011年 10月発行

『王国』  (最新刊)
単行本
 僕の10冊目の単行本になります。『掏摸[スリ]』の兄妹編です。

 どちらから読んでも、どちらかだけ読んでも、楽しめるように書きました。世界観はリンクしていますが、独立した作品です。書き終えた時、大きな達成感がありました

 『掏摸[スリ]』に登場した木崎が出てきます。もしかしたら『掏摸[スリ]』の主人公も、少し出てくるかもしれません。反対に、この『王国』に登場する矢田という男は、『掏摸[スリ]』にも少し出てきています。こういう小説を、ずっと書いてみたかったです。

 都会の片隅で「ある特殊な仕事」をしているユリカという女性が、ある陰謀に巻き込まれていく物語です。月、というのが重要なテーマになっていまして、読んだ人は気づいたかもしれませんが、この小説の場面は全て夜になっています。

 文体に月のイメージ(光、水、煙《雲》)を溶け込ませて、逃亡や罠、策略、裏切りなど、エンターテイメント性を全面に出しながら、運命、願い、生命の輝きなど、純文学の巨大なテーマを描いています。自分の人生を、奪われるということ。訪れた運命を、拒否するということ。読みやすく、切れ味よく、深いものを書こうとしたものです。どこにでもある小説はいらないです。『掏摸[スリ]』に並ぶ小説が書けたと思っています。

 女性の一人称での長編は初めてで、そのおかげで文体に様々な工夫ができるようになりました。区切りとなる10冊目をこの小説にすることができ、本当に良かったと思っています。『掏摸[スリ]』の本のデザインと比べてみても面白いです。

 

 

 

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「講談社」 1600円(税別)   2010年 7月発行

『悪と仮面のルール』  (新刊)
単行本
 僕の9冊目の単行本になります。装丁も、また最高にかっこいいです。
 これまで一番長かった僕の小説は原稿用紙270枚くらいの『最後の命』だったのですが、これは500枚を越えています。僕の最大の小説になりました。

 文体を鋭く、かつ読みやすく、物語としてもスリルがあり、かつ文学の深淵を深く出せるものを目指しました。

 『邪』の家系に生まれついた主人公が、顔を変え、他人の身分に成りすまし、ある行為をする物語です。テロや殺人や陰謀などが多発します。そういった大きな物語の奥に、小さく悲しい物語があった、という小説です。幸福に対する侮蔑、人間の内面の闇と希望、連続されるルール違反、反復と因果、罪と命と回復にまつわる小説です。

 どこにでもある小説はいらないですし、僕は僕の小説を書いていこうと思っています。これまで僕の小説を読んでくれた方々は、この小説がこれまでの僕の集大成のような小説だと、感じてくれるかもしれません。

 余談ですが、分厚くて、ページ数もあるのに、出版社が値段を抑えてくれました。しかも、全体的に質のいい紙を使用しています。電子書籍とか色々ありますが、本という、「物そのものの良さ」も感じてくださると嬉しいです。

 

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大江健三郎賞
受賞作

「河出書房新社」 1300円(税別)2009年 10月発行

 掏摸 スリ  (新刊)
単行本

 僕の8冊目の単行本になります。本のデザインも、最高に格好いいです。
 書き終えた後、しばらく何も手につきませんでした。完全にのめり込んで書き続けて、小説に自分が奪われるような感覚がありました。作者自ら言うのもなんだか妙ですが、これは、僕の代表作です。この小説を書くことができて、本当に良かった。

 都会に動く天才スリ師の物語ですが、過去の友人や恋人、売春婦とその子供、僕がこれまでに書いた中で最大の悪の人物である木崎など、様々に登場します。

 小説の魅力、本の魅力を、能力の許す限り、最大限に出そうと考えました。純文学ならではの深みを追求しながら、読みやすく、かつ物語としてもスリルのあるもの。文章を次々と読む快感というか、小説でしか味わえない、「文章の快楽」を念頭に置きました。悪だけでなく、温かさ、も今回は意識しました。小説家になって7年が経ち、一つの到達点に来れたように感じています。

 今年(2009年)は本がたくさん出たのですが、それはこれまでずっと書いてきたものが、偶然今年完成し、発表が重なったためです。こういう年は、もう二度とないように思います。この小説も依頼を受けたのは約5年前で、ようやく完成となりました。

 どこにでもあるような小説はいらないです。僕は僕の小説を書いていこうと、密かに決意した小説でもあります。『その入ってはいけない領域に伸びた指、その指の先端の皮膚に走る、違和感など消えうせる快楽を――』ぜひ読んでみてください。

(ちなみにタイトルの『掏摸[スリ]』は、『スリ』というふり仮名込みのタイトルです。)

 

文庫本(最新刊)   単行本

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『集英社社文庫』      400円(税別)    2012年 2月発行

何もかも憂鬱な夜に』  (集英社文庫)
単行本
僕の6冊目の本が、集英社文庫になりました。

刑務官の主人公、元恋人、恩師、自殺した友人、そして死刑判決を受けた青年の物語です。この小説もまた、僕にとって非常に特別な作品になりました。

死刑制度、思春期の問題、大人になった後も悩まされる内面の混沌、芸術に対する想い、希望など、様々に込めました。

長編小説で、一人称を「僕」に変えた初めての小説です。文庫版あとがきにも少し書きましたが、僕の個人的なことも色々入っています。

解説は、ピースの又吉直樹さんが書いてくれました。あのように才能に溢れ、かつ相当な読書家でもある人からこれほど見事な解説を書いてもらえるのは、作家としてとても嬉しかったです。

生きていくには辛いことも、憂鬱になることも多いです。様々な人達の憂鬱な夜に、この小説が何らかのパートナーになってくれれば、書き手としてはこれ以上の喜びはないです。共に生きましょう。

 

 

 

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「集英社社」 1200円(税別)    2009年 3月発行

何もかも憂鬱な夜に』     (単行本)
文庫僕の6冊目の本になります。この度文庫本が発売されたのですが、こちらはハードブックです。

     
文庫本 (新刊)   単行本

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 『講談社文庫』      448円(税別)    2010年 7月発行

『最後の命』(講談社文庫)
単行本
 僕の5冊目の本が、めでたく講談社文庫になりました
デザインが、実際の本を手に取ると、ずっと見ていたくなるほどに美しいです。本屋さんなどで、一度見てくださると嬉しいです。これほどまでに内容と一致する写真があるのかと、個人的に驚きました。

 世界と接するのに一枚の布を必要とした主人公。「今から、人に嫌われる話をする。読んだ人間の全てが、眉をひそめるような話を」と語らなければならなかった冴木。そして謎めいた、小さく悲しい香里の物語です。

一つの殺人事件をめぐる物語ですが、『悪と仮面のルール』で書いた善悪のテーマの根源が、この小説にあるように思います。

 もっと広がってもいいとか、このまま埋もれていくのはもったいないという声を本当に多くいただいた小説で、今回このように講談社文庫になったことは非常に嬉しいです。相当な思いをこの小説には込めています。この小説が一番好き、という声を、読者さんから聞くことも多いです。

 テーマはなかなか衝撃ですが、文章は読みやすいです。大切なことを、全力で書きました。小説、文学を愛する全ての人に、読んでいただけたらと思っています。

僕の文庫版へのあとがきと、佐藤康智さんによる解説も収録されています。

 
最後の命「講談社」 1500円(税別)    2007年 6月発行

『最後の命』 (単行本)単行本
 今まで僕が書いた小説の中で、二番目に長いものになります。単行本としては、5冊目です。
深刻な人間像、というものを書く必要を感じ、この小説に取りかかりました。それは単純な意味での犯罪者ではなく、犯罪者的な傾向を持ちながらも、我慢して我慢し続けているような人間、そのような悲しい存在についての小説です。 主人公の他に冴木と香里という登場人物が出てきますが、主人公についてももちろんそうですが、これは冴木と香里のための物語かもしれない、とも思います。サスペンスの要素を取り入れながら、深いものをいかに切れ味よく、読みやすく提示できるか、ということを心がけました。
本の表紙が特殊な材質でつくられていまして、とても奇麗です。

     
文庫本   単行本

土の中の子供
芥川賞受賞作
「新潮文庫」 380円(税込)2007年 12月発行

『土の中の子供』  (新潮文庫)
単行本
僕の4冊目の小説が、新潮文庫になりました。税込みでも380円とお求めやすくなっていますので、手元に置いていただけると嬉しいです...と、作者としては勝手に思っています。

暗い小説と言われることもありますが、僕は「悪意は人々の無関心の中で行われる」と思っていますので、こういう小説は重要だと個人的に思っています。右に書いたように、暴力自体を分析した小説ですが、運命や巨大なものに逆らう意志というものも意識しました。僕にとっては、そういう意志が必要だったりします。

単行本の時と同様、「蜘蛛の声」という短編も収録されています。僕はこの短編もとても好きです。文庫本ということで、井口時男さんによる解説も収録されています。こちらの方も、合わせて楽しんでくれると嬉しいです。

 
土の中の子供
芥川賞受賞作
「新潮社」 1200円(税別)    2005年 7月発行

『土の中の子供』     (単行本)
文庫 この度文庫本が発売されたのですが、こちらはハードブックです。僕の4冊目の単行本で、「蜘蛛の声」という短編小説も同時収録されています。

「虐待」ということがクローズアップされて語られることが多いのですが、僕としては、暴力そのものを分析し、戦争も含めたことを意識して書きました。落下するイメージと、そこから這い上がるイメージを交差させて、小説の根本に、様々な思いを込めました。

書き終えた時、ようやくここまで書けた、と思いました。あくまでも自分なりに、ということですが。賞を頂いたこともあり、本当に多くの人に読んでもらうことができました。感謝しています。

     
文庫本 (新刊)   単行本

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野間文芸新人賞
受賞作
「新潮文庫」 340円 (税込)2010年 12月発行 

『遮光』 (新潮文庫)

僕の2作目の小説が、新潮文庫になりました。値段を抑えてくれたみたいで、340円となってます。ある虚言癖の青年と、美紀という女性の物語です。

文庫解説に代えて「遮光について」というエッセイを、この文庫用に書いて、一緒に収録しました。

この小説の10章の太陽の場面は、僕の文学の中核のシーンだと思っています。様々に思い入れのある、僕にとって、本当に重要な小説です。

この小説がなかったら、今の僕はなかったと思います。作家にとって2作目というのは大切で、プロとしてやっていけるかどうかの試金石になることが多いからです。

応援してくださる方々、本当にありがとうございます。小説の未来は暗いですが、何とか抵抗しようと思っています。

 
遮光
野間文芸新人賞
受賞作
「新潮社」 1400円(税別)    2004年 6月発行 
『遮光』 (単行本)

文庫本が発売されたのですが、こちらはハード・ブックです。発行は2004年6月で、僕の2作目の単行本になります。 この作品で賞をいただけたのには、感慨深いものがありました。
     
文庫本   単行本
銃 (文庫本)
新潮新人賞受賞作、
芥川賞候補作
「新潮文庫」 380円(税込)2006年 6月発行 

『銃』 (新潮文庫)
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僕のデビュー作になります。この頃、東京でアルバイトをしながら、作品を出版社に応募していました。何をやっても上手くいかず、生活も行き詰まった中で、部屋に引き籠もるようにして書いていました。拳銃を拾い、それを持ち歩く青年の話ですが、その中に意識の問題、無意識の問題、家族の問題、青年が抱える問題などを、色々と込めて書きました。

何かを持ち歩く、つまり何かを内面に抱えるということは、僕の小説の中心にあるものです。読み返してみて、あらためて自分のデビュー作だなとしみじみ思いました。作家が一般的に自分のデビュー作に対してどういう感情を持つのかわかりませんが、僕はこの小説がとても好きです。

自分としては重要なことを書いたつもりです。いつまでも残る小説であって欲しい、と個人的には思っています。

 
銃 (単行本)
新潮新人賞受賞作、
芥川賞候補作
「新潮社」 1400円(税別)    2003年 3月発行 
『銃』 (単行本)
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文庫本が発売されたのですが、こちらはハード・ブックです。発行は2003年3月で、僕の初単行本になります。
     
単行本

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「文藝春秋」 1571円(税別 )     2009年 5月発行

『世界の果て』 (単行本)

 単行本としては僕の7冊目で、初めての短編集、になります。
デビュー7年目で初めての短編集というのは、いかに僕が書くのが遅いかを意味しているように思います。次の短編集は果たして何年後か、自分のことながらわからないです。収録作を、以下紹介していきます。

『月の下の子供』 僕の長編の流れを汲むもので、『何もかも憂鬱な夜に』とのイメージの類似があります。

『ゴミ屋敷』 僕の小説の中で唯一、「笑い」を取り入れた小説です。ジャンピング・オナニーとか出てきます。これからは、たまにはこういう短編を書いていくのも面白いかなと思っています。可能と不可能、超越と限界にまつわる小説です。

『戦争日和』 雑誌掲載時は『白の世界』というタイトルだったのですが、単行本化にあたりタイトルを変えました。ちなみに村上春樹さんの『カンガルー日和』との類似はないです。時代が戦争に向かう時、人々の精神は単純化していきます。複雑な純文学は、それに対立するものです。戦争は大を考えるあまり、犠牲になる小を蔑ろにします。『憎悪は生き物だ、拡大を望む』という言葉が作中にありますが、単純化していく世界の中で執拗に小のことを考え続ける小説です。

『夜のざわめき』 初めて、小説家、を主人公にした小説です。この頃、僕はなかなか精神的にきつくて、それが色々な形で出てしまいました。様々な声(ざわめき)の中を、主人公が歩いていきます。

『世界の果て』 1犬を持ち歩く男、2画家、3包丁を握る高校生(本人の自覚は中学生)、4失踪者、の、それぞれの「世界の果て」と人生の問題を巡る小説です。それぞれタイトルをつけるなら、1は「犬を捨てる」、2は「無用の人」、3は「中学生の犯罪」もしくは「高みの世界」、4は「失踪」、5は「蒸発」もしくは「犬を握る」、かなと思います。一つの大きな物語として読むこともできます。読んでくれる人達の考える幅(自由)が大きい小説で、様々に解釈が可能です。

我ながらいい短編集だと思っています。こういう小説が集まる短編集は、今の時代には珍しいかもしれません。

 

 
 
悪意の手帳

『悪意の手記』 (単行本)

発売は少しだけ『土の中の子供』と前後しましたが、書いた時期では僕の3冊目の単行本になります。「人を殺すとはどういうことか」という問題を考えて書いたものです。今の時代の文学シーンではこういうものは評価されないとも思ったのですが、一年近くかけて、じっくり書きました。一見不可解に思えるような犯罪が増えている今の時代、こういうものが必要なのではないか、と勝手に一人で思って書いたものです。最近の文学の流れや傾向とは異なるものですが、僕としては、とても気に入っている作品です。

「新潮社」 1300円(税別)    2005年 8月発行
 
   
 
 
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朝日新聞出版
「朝日文庫」560円(税別)    
2011年 2月発行

『作家の口福』(朝日文庫) 
アザーズ
様々な作家が、食をテーマにエッセイを書いています。その中に、僕が書いたものも入っています。
 

喫煙室

文藝春秋企画出版部・編
「文藝春秋」500円(税込)    
2007年 11月発行

『喫煙室』(文芸春秋)
アザーズ
各界の人が、くつろぎをテーマにエッセイを書いています。その中に、僕が書いたものも入っています。
     
     

dokusyo

岩波文庫編集部・編
「岩波文庫」660円(税別)     
2007年 2月発行

『読書という体験』(岩波文庫)
アザーズ
各界の人が、読書についてのエッセイを書いています。その中に、僕が書いたものも入っています。
 

空を飛ぶ恋  新潮社・編
「新潮文庫」 400円(税別)    2006年 6月発行

『空を飛ぶ恋』(新潮文庫)
アザーズ
様々な作家が、携帯電話にまつわるストーリーを書いています。その中に、僕が書いたものも入ってます。
     
   
 
 
 
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